なぜあのような色を…

 


「手話」と「ろう文化」をモチーフにした「デフアート」。

私の描く絵画は「青」が主体です。

紺と青と白の三色のみで濃い紺の背景の中に鮮明に浮かび上がる
青のグランデ―ション。
そしてまばゆい光を放つ白。
それぞれの色には、いろんな意味が込められています。

手話を禁じられた深い歴史と悲しみが不安定な感情をより一層、掻き立てるのが暗い混色の背景です。

青のグランデ―ションは青い絵の具を垂らしたような「空」と「海」をイメージしています。

「空」は地球上どこまでも繋がっている。
それは、人はみんな同じ地球で生きていることの「平等」。

「海」は中に入ると、ほとんどの音が消えて音のない世界をみんなが共有する。
それは、聴者が手話を使うことによって互いが話し合えることの「対等」。

「空」の無辺の広がり、「海」の底の知れない深さを象徴する青色に「みんな同じ
地球で生きているんだ。存在しているんだ。平等なんだ。対等なんだ。」ということを表現しています。

純粋に輝いている「白い手」は、ろう児・者たちのアイデンティティの象徴でもある「手話」そのものです。

ろう児・者の心を表すことができる唯一の言語の素晴らしさを表現しているからこそ、最終的に"白"は緊迫した気持ちで描き終えるようにしています。

ただ、表現したかったのは暗さそのものではなく、暗闇の中に見える光のように、私の心の中にある手話への誇りという光に従って、自分の魂をキャンバスに照らすように努めてきました。
それが、ろう者の誇りと希望を持って描いた作品は、ろう児・者たちに誇りと希望を与えます。
そして、聴児・者たちに理解してもらうために、その誇りと希望の意味を与えます。

そのためにも"誇り高きろう者であること"を変わらない自分でいたいです。
そして、「ろう者の心」で描くアーティストでありたいです。

「芸術家の使命は、人間の心の奥底に光明を与えることである
  (ドイツの作曲家 ロベルト・シューマン 1810ー1856)」

その格言とおり、私はその誇りと希望をキャンバスにぶつけてデフアートを描き続けることによって、ろう児・者たち、そして人類みんなの心の奥底に光を照らし続けたいと思います。